mieと散歩しよう♪

今日という日は残りの人生の最初の1日

愛すべき人々

イメージ 1イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
是枝監督の『海よりもなお深く』観ました。小説家として賞をもらってからその後がない、妻とも離婚した、子供と一カ月に一度会うことが楽しみという愛すべきダメダメな主人公を、阿部寛さんが演じています。ハンサムでスマートな阿部さんのカケラもありません。哀しい瞳が印象的です。舞台は、阿部さんの母、樹木さんが一人暮らししている団地です。
団地が好きです。いろいろな花が植えてあったり、洗濯物がよく乾いていそうだったり、ちょっとした子供の遊び場があったり、小さな同じ部屋が律儀に並んでいて、その数だけいろいろな形の幸せが詰まっていそうな、生活の香りがして好きです。特に夕暮れ、部屋部屋に温かい色の明りが灯り始める様子に胸がキュンとしたりします。
『海よりもなお深く』の後には、人を愛したことがあるか?というお母さんの問いかけが続きます。映画の中の樹木さんは、私はないなぁと言いますが、大きな事件が起こる訳でもない、淡々と日常を描いたこの映画の全編に流れているのは、海よりも深い親子の愛です。息子が心配だけど、全肯定で受け入れている年老いた母、両親の離離、大人の事情を受け入れている子供が愛おしいです。