絵としては「木を伐る人」を見たことがあるくらいな印象。今回しっかりと知る初めてのホドラーです。
その生涯、故の画業の変遷は興味深いものでした。
これは、ホドラーの幼い時に住んでいた小屋(と、番組では紹介されました)です。8歳の時に父それからすべての兄弟母を病気で亡くし貧困を極めていたといいます。ホドラーを作ったのはその生い立ちにあったあったに違いありません。
初期の作品は死や苦悩、恐怖、などを題材にしたとても暗いものです。この絵の中央の男性はホドラー自身といわれています。
その後、リズミカルな明るい画風に変ります。
死から生への転換期といわれる「オイリュトミー」
美しいよきリズムという意味です。
形の反復によって音楽的リズムが生まれより観るものに強く訴えることが出来るということです。
たくさんの明るい美しい風景画や私の好きなデッサンも。壁紙に色があるのは、美術館の展示としては、とてもめずらしいです。だけど温かみがあってセンスのよい素敵なピンクです(写真では全然良さが出てなくて残念)
左は初期の作品を描いていたころの自画像。
「怒れる人」
右は晩年の自画像。
「バラのある自画像」
画風や題名にその変遷ぶりがうかがえます。
とても興味深いです。
人は変われるのかな。貧困や別離や孤独や不遇に怒っていたホドラーが、絵とともに明るいほうへシフトした。人は変われるのだ。絵によってホドラーの人生は救われたのだなぁ。それにしても、晩年最愛の人をもガンで亡くすに至っては、ホドラーの持っている不運を思います。それでも、その後も、優しい画風でリズミカルな絵を描き続けたホドラーは、やっぱり絵を描くことに救われたのだなぁ。