こちらは昨年亡くなられた長谷川和夫先生のご本。
先生は昔「痴呆」と呼ばれていた症状を「認知症」と改めた人です。
その長谷川先生が認知症になられた。そして書かれたのがこのご本
「ボクはやっと認知症のことがわかった」
「認知症でも心は豊かに生きている」です。
前にNHKでドキュメンタリーを観た時もとても心に響き書かせていただきました。
足腰も丈夫。何でも出来て、いつも家族の先頭を走り、パワフルだった私の母も、
認知症になりました。最晩年のまさか。一番戸惑ったのは母でした。
本の中に書かれている、認知症の人が喪失するのは、自分の所有するものではなく、
まさに自分そのもの「Self」です。そういう状態でいるということを、周りが
どこまで理解できるか、理解しようとする姿勢が必要とわかります。
大事なのは今を生きること。今日ある今を生きること。
認知症は不便なことですが不幸なことではない。
何ができるかではなく存在すること。doingではなくbeing。
笑顔の効用。明るく楽しい気分を大切にすることが大事。
寄り添うこと、聴くこと、右脳に働きかけること。
今は他人事でも、誰にも訪れるかもわからない未来。病気や障害も。
行動を制限される不便な環境下にある今、知っておくべきヒントが詰まった一冊。