手のひらに乗るほどの小さな本「ちいさないきものと日々のこと」
小さな猫や犬との出会いや別れ15の小さなエッセイが綴られた
もりのこと文庫の本を買った昨日。夕方、家とお隣の間の側溝で
猫が冷たくなってみつかった。時々、その猫はご近所でご飯をもうことが
あったようで、家の周りで見かけていた。
一昨日私が仕事から帰ると、いつもは逃げるその猫は、その日、
側溝の蓋の上にちょこんと箱座りして、きれいな琥珀色の瞳で私を見た。
それは、前に家にいた優しいクロによく似ていた。
「あら、こんにちわ。クロちゃんによく似ていますね。
今日は逃げないのですね。」と、話かけて、家に入った。
キョトンと見上げる姿は、別段に具合が悪そうには見えなかった。
白い箱に小さな体をタオルでくるんで百合や日日草や最後の紫陽花を
一緒に入れて、今日は霊園で送ってもらいます。
クロちゃんによく似たその猫は自由に暮らし、理由はわからないけれど、
見たところでは苦しまずにその命を閉じたように思う。
命は突然終わるという当たり前すぎることを改めて考える昨日今日です。