友だちの誕生日が近づき本をプレゼントしようと本屋さんへ。
プレゼントの本は友だちの好きな作家さんの本と決めていたのですぐみつかる。
いつものように見てまわり、手に取った西加奈子さんの「くもをさがす」
気になっていたのだ。テレビで見る私の知る西さんは、元気とパワーいっぱい。
その西さんが癌を公表された記事をどこかで見て知っていたから。
病気と無縁そうな西さんがどのように受け止め書かれているのか。
少し立ち読みして。これは読むべきものだとすぐにわかりました。
本の最後の方に書かれている一文を。
どこにいるのか分からないあなた、何を喜び、何に一喜一憂し、何を悲しみ
何を恐れているのかわからない、会ったことのないあなたが、確かに私のそばにいた。
あなたは時に幸せで、時に不幸だった。
あなたは、時に健康で、時に健康を害していた。
あなたは時に生きることそのものに苦しんでいて、あなたは時になんてことのない
日常に無情の喜びを感じていた。
あなたに、これを読んでほしいと思った。
本は、今、私という「あなた」の手にあります。
本の中には、いろんなかたちの優しい人がたくさん登場します。
どんな時にも、優しい人がいる人生は幸せです。自分もなりたい優しい人に。