今日の日曜美術館。お元気だった頃の舟越桂さんの追悼放映でした。
追悼?桂さん?あぁ亡くなられていたんだと知りました。
若い頃からお父さまの舟越保武さんのファンだった私が桂さんを知ったのは、
その息子さんだったからです。木彫という違う道を歩まれたけど、どこかに
品格ある作風はお父さまの中にあるそれを感じさせるものでした。
勝手に同世代と思っていましたので、早いお別れがとてもとても残念です。
舟越さんの関連の大好きなご本を2冊紹介します。
「おもちゃのいいわけ」
舟越桂が自身の子どものためだけに製作したおもちゃやオブジェ。
それらを集め、一冊の写真集に仕立てた本書は、その愛らしさだけでは
なく、他の何にも邪魔されないイノセントな空気に包まれています。
表紙を飾る息子の横顔を模したハンガーはあまりにも有名ですが、その
他にも、木っ端の家や人形、かぶってくれなかった帽子、様々な素材で
できた教会など、その時その時に「喜ぶだろうか」と思いながら精一杯
制作した気持ちが伝わる、読んでも見ても楽しい本書。
江國香織さん「絵本を抱えて 部屋のすみへ」
舟越さんの「おもちゃのいいわけ」のひとつが表紙になっています。
自分が自分だと気づく前に遇(あ)ってしまっていた絵本。
愛してくれている大人の温もりと共に身体にしみこんでしまっている絵本。
人生の複雑さを知った心に響いて忘れえぬ一冊となった絵本。
ブルーナ、ポター、クーニー……私がいまの私になるために、絵本たちとの
とても大切で幸福な出会いがあった。絵本という表現手段への愛情と信頼に
みちた、美しく豊かな言葉で紡がれた35編のエッセイ。