今年最初に買った本は、谷郁雄エッセイ集「日々はそれでも輝いて」
本屋さんで、その装丁のイラストやご本人の手描き題字のキュートさに思わず手に取り、読んでみると面白くて、そのまま支払いだけさせてもらって、エスカレーターもバスを待つ間も、乗ってからも、とにかくお家の玄関に着くまで、立ち読み歩き読み、しました^-^
― 何者かになろうとして 何者でもなかった 日々はそれでも 輝いていたと、帯に書いてあるのもなんだか魅かれました。
京都の大学を中退して詩人になった谷郁雄さんのエッセイです。
中に書いてある、ヘルマン・ヘッセの「庭仕事の愉しみ」や「人は成熟するにつれて若くなる」は、私も面白いと読んだものでした。ランボーや、ボブ・ディランや、長田弘、谷川俊太郎、他にも私の知らない詩人のお話。
たくさん、ここで載せてみたい詩がありましたが、与謝野晶子「弓」を。
佳きかな、美しきかな、 的を思うことなかれ、
矢を番えて、肘を張り、 子等と弓との共に作る
引き絞りたる弓の形。 その形こそいみじけれ、
射よ、射よ、子等よ、 唯だ射よ、彼の空を。
鳥ならずして、射よ、
唯だ 彼の空を。
この詩を、息子に。小さな的ではなく、大きな空に向かって弓を引いて、という詩です。