mieと散歩しよう♪

今日という日は残りの人生の最初の1日

人生とは凡庸であるほど美しい

イメージ 1詩人で思想家の吉本隆明さんが亡くなられた。
共同幻想論」「言語にとって美とはなにか」などが代表作。ちょっと難しいイメージだけど、私の中では、よしもとばななさんの父上、晩年の比較的穏やかなイメージが強く、一冊だけ持っている著作も「日々を味わう贅沢」副題は老いの中で見つけたささやかな愉しみという、その題名通りの日々を綴った柔らかいものです。
帯には―人生とは凡庸であるほど美しい―とあります。いい言葉です。
『凡庸』なんだか吉本さんの闘うイメージとは遠いような・・・
追悼を込めて、子供さんとの微笑ましい日常が偲ばれる冒頭など、少しだけご紹介したいと思います。
 
 「四季の愉しみ」 知り合いの転勤のあとの持ち家を、留守番がてら、ほとんど無料にひとしい家賃で二年ほど借りて住んだ。上野松坂屋の裏手にあたる場所で、こんなしもた家ふうの住居があるのが不思議だとも思うようないい家屋だった。すぐに賑やかな通りにも、公園にも出られるのに閑かなたたずまいの家で、愉しいので、子供を抱いたり手を引いたりして、毎日のように夕食をすませると賑やかな大通りに出歩いた。
 
 「春の匂い」 寒冷のなかで、いま春は匂っている。