大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子供の悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆるいい仕事の核には
振るえる弱いアンテナが隠されている きっと・・・
わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそり汲むことがあるのです
――茨木のり子 「汲む」より抜粋
昨日に引き続き、茨木のり子。今日は「汲む」
この詩に出会った時も、いつまでも子供じみている自分を恥じずに
やっていけそうな気がして、勇気づけてもらいました。
人に対しても世の中に対しても、初々しさが大切とも書かれています。
あらゆるいい仕事の核には震える弱いアンテナが隠されている
というところもとても好きです。
今、絵が汚れることを恐れずに描くことを練習中です。今?^-^
美しいものをただ写し取るだけでなく、もう一歩先を描けるように。
美しさであれば、本物の美しさにはかないようがありません。
今までたくさん失敗してきたからこそ、わかったことがあります。
今まで抗って苦しんだことは、今になっては必要だったと気づきます。
それは、自分を通すために必要で大切なことだったから。
折れなかったから、苦しんだけど、大切な今があります。